2025年現在、好き好んでモスクワやサンクトペテルブルグを観光旅行する方はほとんどおられないのではないかと思います。

JJは2010年夏に行きました。当時はまだスマホも持っていなく(やっと普及し始めた頃だったと思います)、ガイドブック、ロシア語会話ブック、度胸だけに頼る様な旅で「よく個人で行ったなあ~」と今になって思います。そういう点で思い出深い事も多いのですが、観光地も然ることながら、特に地下鉄にビックリした記憶の方が鮮明で、備忘録的に当時の状況を纏めてみました。
なお、最新情報ではありませんので(今から約15年前の話ですので)、特にこれから旅行を考えておられる方はこの点にはご注意ください。
モスクワの地下鉄網
モスクワの地下鉄網、これと国際空港行きとを結ぶ駅(パヴェレツカヤ駅)、あるいはサンクトペテルブルグ行きの列車が発車する駅(コムソモーリスツカヤ駅)の位置関係を下図に示します。

地下鉄路線図をパット見た限りでは、東京の「山手線」と「地下鉄」が一緒に表示されている様なイメージです。地下鉄5号線(環状線)が山手線に相当し、その中心部に向かって他の地下鉄路線が郊外から流れ込んできています。図では、1、2、3、5号線しか示していませんが、現状1~12号線まであるようです。なおモスクワの地下鉄の総延長距離は東京よりもやや長いようです。
また、パヴェレツカヤ駅を品川駅、コムソモーリスツカヤ駅を上野駅に、更に中心部のクレムリン(赤の広場)を皇居に見立てれば、これはもう東京と瓜二つだなあ~と考えてしまいました。
ただ東京の地下鉄と異なるのは、深度が深く、列車スピードは速く、地下に潜るエレベータは長大でこれもスピードが早く、運転間隔も短く(本数が多く)、更に駅舎や地下ホームは芸術的という点です。
チケットの購入
当時、磁気カード(10回数券)を窓口で買い、それを自動改札機にかざして入場した記憶があります。現在ですとスマフォに翻訳ソフトが入っていますので、これを窓口で見せれば簡単に購入できると思いますが、当時はそんなものなかったので、JJは予め紙に書いてそれを提示して購入しました。その時のメモ(きたない字で申し訳ありません)と磁気カードが以下の写真です。

防空壕
2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻時、首都キーウの住民が地下鉄のホームに避難したというニュースが流れていました。調べてみますと首都キーウのアルセナーリナ駅は、地上から105.5メートルの深さで、世界一深い地下鉄の駅との事。核シェルターとしても機能するように設計されており、ロシア軍の侵攻前から緊急時の避難先に指定されていたようです。
モスクワの地下鉄も同様で、一番深い駅は、地上からの深さが80m以上。第二次大戦中に防空壕として使われ、やはり核シェルターとしての利用も想定されているとのこと。
東京の都営大江戸線も随分深い所を走っている様な気がしますが、一番深い六本木駅で40m程度ですので、モスクワの最深駅はその2倍近くあることになります。
日本でも、弾道ミサイルが飛んできた場合の地下シェルターとして、麻布十番の駅などを検討中というニュースもありましたが、こういう危機感というのは、諸外国に比べ相当遅れている様に感じます。地下鉄建設にあたり、経済合理性ももちろん重要でしょうが、国民を守るという事も投資指標に入れたら如何なものでしょうか?
芸術壕
下段の写真は、コムソモーリスツカヤ駅の入口を撮影したものです。この駅は、サンクトペテルブルグ行きの列車も発車する駅ですので、全体的に立派なのかも知れませんが、地下鉄のシンボルマークである赤い「M」の文字が、日本のお城に付いている「唐破風」様な意匠の中にどっしりと据えられている感じです。
一方で、東京メトロのシンボルマークもMですが、JRと同じ入口にある四谷駅でも、JRとMのマークがひっそりと(シンプルに?)掲示されているだけです。パリのメトロもそれほど装飾に凝っている訳ではないような気もしますので、やはり旧ロシアの思い入れは、相当だったのではないかと思います。


下の写真は地下鉄駅のホームを撮影したものです。
島式のホームで、現在右側には列車が止まっており、左側には列車待ちの人が立っています。天井が高く、中二階部分に乗り換え用の通路があります。柱には大理石板が張られており、柱頭には何らかの意匠が施されています。
下段の写真は他の駅の天井ですが、陶磁器人形、また花か果物をイメージしてつくられたと思われる陶磁器リースが天井に貼られています。この様な、地下鉄駅巡りだけでしても面白そう駅が非常に多い感じです。


観光地より地下鉄が記憶に残る
JJは当時、地下鉄と言えば、日本の地下鉄かパリの地下鉄しか乗車したことがなく、両方とも駅間距離が短く、スビートは出せないけど、運転間隔も短く便利だなあ~くらいしか思っていませんでした。
しかし、モスクワの地下鉄は、運転間隔が短く、列車スピードは「京浜急行」の特急列車に乗車しているような感覚です。
しかも、駅舎や構内の芸術性も高く、少し、誇張しすぎかもしれませんが、高速エレベータに乗って深度深くまで潜り、美術品を鑑賞し、更にそこから高速列車にのって地下の旅をする・・・まるでディズニーの「センターオブジアース」の旅に出かけていくようなイメージでした。
一方で、構内は非常時の防空壕や核シェルターにもなっています。
何が日本の地下鉄と比べ、これだけの差を生じさせているのか良く判りませんが、モスクワは、観光地よりも地下鉄の方がいつまでも記憶に残る旅となりました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ではまた。